オリーブオイルが持つ様々な効果により知名度が年々、上昇してきているとはいえ、今でも「エクストラ・バージン・オリーブオイルは生で使うのが一番良い」と思われていることがよくあります。そうではありません。もちろん、非常に香り高い最高級エクストラ・バージン・オリーブオイルを必要以上に加熱するのは、その風味を損なう場合も多く、そういった説は一概に間違いだとは言えないのです。

実際に、スペインの多くの家庭では、生食用、加熱用のどちらにもエクストラ・バージン・オリーブオイルを使用しています。

その他の食用油に比べると価格が高いのは否めませんが、長期にわたって体内に取り込む食材を選択するにあたって、人体に与えるその有効な効果を考えると、非常に賢い選択だと言えます。21世紀の現在でも、オリーブオイルの持つ素晴らしい効果は耐え間なく発見され続けています。地中海沿岸地域の人たちが遠い昔からオリーブオイルを、健康を維持するための食事療法「地中海ダイエット」のベースとして愛用してきたのは大きな理由があったということを理解したいものです。

「オリーブオイルを使った調理法」については前途のページにてご紹介しましたが、揚げ物に使用する際も例外ではありません。オリーブオイルの持つプロテイン成分が素材の表面に膜を作り、素材にオリーブオイルが吸収されないように働く上、素早く素材に熱を通すため、素材そのものの味や栄養価を失うことなく、揚げ物がカラリと仕上がり油っぽくなりません。

特に、バレンシアの郷土料理でもあるパエリアの調理に関しては、上質のエクストラ・バージン・オリーブオイルの使用は必須だと言えます。本来のパエリアは、日本人の感覚からすると少し多目かなと思える量のエクストラ・バージン・オリーブオイルを使って、鍋底に「ソカラッツ」と呼ばれるオコゲをつけるのが本格的なバレンシアで炊き方です。パエリアそのものの味や米の炊き具合と並んで、美味しく香ばしく出来上がった「ソカラッツ」は本場バレンシアではパエリアの良し悪しを評価するための非常に重要なポイントとなります。

多目に使うからといって、ピュアオイルや精製オリーブオイルだと、あのオリーブオイル独特の香りに欠けた鍋底に油が浮いたオイリーなパエリアになってしまうばかりか、パリパリと香ばしい「ソカラッツ」は出来ません。エクストラ・バージン・オリーブという表記のあるオイルであっても注意が必要です。本当のエクストラ・バージン・オリーブオイルは料理を美味しくするものです。

本物を目指す、本当に美味しい安全な料理を食べて欲しいと願う方々、先ずはお試しください。理由がお分かりいただけるはずです。